地頭力を鍛える


地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

 外資系の会社の採用現場などでは、単に頭がいい人ではなく、
「地頭のいい人」が求められているといわれ、
ビル・ゲイツの面接試験』や『外資系企業がほしがる脳ミソ』など
コピペではない、考える力を求められるようになってきているようです。
最近、この手の「地頭のいい人」を説明する本が売れているようだ。


 自分にとっても未知の新しい課題に取り組もうとする際、仮説も立てずに
まず関連事項の情報収集に走りがちな仕事の進め方について、見直すきっかけを
与えてくれました。


 そもそも、考えるという行為に対する(悪い)「くせ」というのは、
外から見えないものなので、人から指摘してもらえる機会も少なく、
長年にわたり染み付いて固定化してしまいがち。
 一般的に自分が「知的」であると思っている人ほど、このあたりの罠から
なかなか逃れられないでいるように見える。


 例題は、「日本全国の電柱の数は?」
 この設問に対して、3分以内に回答してみてください。

 本書の目的は、限られた情報に基づいて自力で考えて答えを出すこと。
{単位面積あたりの本数}x{日本の面積}
{1世帯あたりの電柱の本数}x{日本の世帯数}
この例題で言うと、このあたりを想定し、自分の中にある知識を応用することで
回答を導け出せることが大事です。回答は本書にあります。
ちなみに自分は思考はできたものの正解の約2倍の6,000万本でした。


 MBAでは漏れなくダブり無く、ロジカルに説明することが求められますが、
本書でも基本は同じです。


 地頭力とは何か。「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力である。
すなわち「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、
「単純に」考える抽象化思考力です。


 とりわけ、「完璧主義」的傾向のある人にとって、
こういう現実的なやり方もあるのだということをインプットしておくことは
きっと自分の能力をさらに高めるきっかけとなるのではないかと思える。


とにかく、すばらしい一冊です。
地頭力を鍛える