メタボラ


桐野夏生 氏の新作「メタボラ」を読んだ。


著者は8年程前に「柔らかな頬」で直木賞を受賞した。
その際に彼女の本に出会い、
展開の早さと、現実にあまり出会えない人々の描写を
犯罪小説に織込んだ斬新な作品に惹かれる。



書店に並ぶ久しぶりの新書に、手にしてみた。
久しぶりの小説と600ページの厚さにも関わらず
展開の早さと休日も手伝い一気に読切ってしまった。


これまで多かった性的描写は全くなく
内容は、現代の家庭問題や沖縄の置かれている立場など
時事問題を折込んだストーリー。
主人公の置かれる立場を、
「無」から「貧しさ」「向上心」「無気力」など、
人間の慣れと飽くなき向上心見たいのものを描写している。


自殺者の行動や地方の工場への労働派遣の描写などとてもリアリティがあり
以前のたちんぼの女性や中国の出稼ぎもそうだが、
この人はどうやってこの手の取材しているのだろう。



ただ、「メタボリック」とは関係がない。



メタボラ

メタボラ