シリコンバレー・アドベンチャー

著者:ジェリー・カプラン
会社:GO


■ミッチェル・ケイパー(Mitchell David Kapor)
ロータスデベロップメントの創業者
Lotus 1-2-3 の開発者
ジョン・ドーア(John Doerr)
– クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)パートナー


ペン型コンピュータを開発するビジネスモデルで起業し、
創業、VC殻の資金調達、アップルやマイクロソフトからの外圧、
そしてベンチャー企業と大企業の提携に関する魑魅魍魎の正解がわかる。


大企業とベンチャー企業の提携はあまり日本では聞かない事例だったこと、
NDARFPなど最近でこそなじみのある言葉や、プロラタやプレ(マネー)などベンチャーキャピタルしか使わないような用語が既に登場していて大変興味深かった読み物でした。

大企業がベンチャー企業に対して投資や提携を行うメリットについて、
破壊的イノベーションや、事業のスピード感などベンチャー企業の方が有利な事業も多い。そこで、IBM然りAT&Tなど大手企業がGOと提携を行うことになる。


しかし、それらの提携関係が必ずしもうまくいかなかった。


それは、IBMの事例でよくわかる。
当時のIBMマイクロソフトにWindowsOSを出されたことの失敗を引きずっていた。
そのためIBMの法務部門はリスクを取らない契約書しか作れない状況であり、
また、開発部門は技術力のある人間をアサインしようとしない。
IBMの社内が縦割り組織になって、ベンチャー企業を受入れ体制がなかったといえる。


即ち、ベンチャー企業のスピード感に大企業がついて行けない。
しかし、ベンチャー企業の技術やアイディアに大企業の資本とマーケティング
という武器を使うことが出来、それらをうまく活用することで、シナジー効果が出て
成功する確率は高いように感じた。


日本の大企業もベンチャー企業をうまく活用できないものか。


シリコンバレー・アドベンチャー


 ---------------------------


シリコンバレー・アドベンチャー―ザ・起業物語