ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場 英国人ジャーナリストの留学記


 本書は、英国人ジャーナリストのハーバードビジネススクール(HBS)での留学体験記です。



 HBSを卒業する人間の多くが選ぶ道は、金融やコンサルティング等、非常に
限られていることがわかる。そう、これらの職業から得られる多額の報酬が彼らを
その道に導くのだが、それと引き換えに多くの犠牲を強いられることになる。
一握りの優秀な人間達が向かう場で、同一の価値観でしか判断できない点は非常に興味深い。



 サブプライム問題が仕組の問題だとすると、批判を恐れずにいうと、金が金を生み出す
アメリカ的資本主義の思考が創り出したと言うこともできるわけです。この仕組を創り出す
立場に最も多くの人間を送り込んだのがこのHBSだといっても過言ではない。HBSは、
金融危機の元凶である投資銀行ヘッジファンドプライベートエクイティ、さらには政府の
中枢機関にも多くの人材を輩出している。では、HBSは何を製造しているのか。



 MBA特にHBSが世界の経済を動かす重要なところに位置することは間違えない。
サブプライム問題が顕在化しなければ、一方向からの、すばらしい評価しかなかったのは事実であろう。


 HBSでは理論や論理力、分析力は教えられることができる。
が、しかし、人の心や感情を正しい方向に導くことまでは教えられない。



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 ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場
 ハーバードビジネススクール 不幸な人間の製造工場