となりの車線はなぜスイスイ進むのか?


この本はおもしろい!
車に乗るとなぜ人格が変わるのか、人(日本人だけではなく万国共通のようです)が
車という鉄の塊を操縦するとこうも人格が変ってしまうのか、
行動心理学と統計的結果に基づき説明を行い、
道路事情に対してどういった対策が施されているかについても説明がなされている。



例を示すと、
第7章:危険な道の方がかえって安全?
 では、ロンドンの事例だが、通りの美観を目的に道路標識を95%撤去した。
 結果、交通量が減らなかったにも関わらず事故は60%減った。
 以前は、不必要な道路標識が多く、ドライバーは混乱を生じた。
 標識という障害物を除去することが、ドライバーの自主性を促し
 かえってモラルのある行動を行えるようになったようです。
 私も一つの交差点で、トラック用の標識と乗用車用の標識と
 さらに時間帯の標識とが乱立した交差点に出くわし
 標識からどう判断して良いか混乱した記憶がよみがえります。


第6章:どうして女性は男性より渋滞を引き起しやすいのか?
 では、駐車場に停める際の行動が書かれており
 結果、慎重グルグル派は無頓着派よりも停止時間がかかり、
 目的地までの距離も近いわけではない。
 ショッピングセンターなどの出入口に近い空きスペースに
 車を停止させる際に、
 「最高の」スペースを積極的に求める慎重グルグル派と
 目に付いた空きスペースに停める無頓着派とに大別され、
 結果的に慎重グルグル派が停めた「最高の」スペースは
 無頓着派のそれと目的地までの距離が変らないようです。




また、
前の車が女性ドライバーの方が、クラクションをよく鳴らし、
前の車が高級車だと、クラクションを鳴らしにくい。
高速道路で渋滞中は走行車線(日本では一番左車線)が最も早かったり、
駐車場が満車で待っている車があると、駐車している車はなかなか出ようとしなくなる。
など。

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となりの車線はなぜスイスイ進むのか?
となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学